バイデンさんの勝利 4年間を振り返って
アメリカ在住20年の私ですが、いまだに市民権は獲得していません。
日本は二重国籍を許してくれるわけではなく、旦那が死んじゃったらこの国に家族のいない私は大好きな家族がいる日本に帰る気満々なので、パスポートを手放す勇気がないのです。
なので選挙権がないので、ワーワー言うなという気もしますけれど
ここまでアメリカの選挙に真剣になったことがかつてあったでしょうか。
バイデンさんの勝利が確定し、心底ほっとした自分に驚きました。
あーこの4年間やっぱきつかったんだ!
アメリカに住んできた身としましては
この過去4年間は自分の肩身が狭く感じられ
人種差別の被害をうける可能性を覚悟し
減らされていくアメリカの素晴らしい国立公園や国立森林を悔しい思いで見つめ
堂々と人種差別を主張し白人至上主義を掲げる人間たちを見て怖くなり
高くなっていく生活費に対してあがらない給与にあくせくし
社会の税金に頼って暮らす貧困層の増加と暮らしぶりを見つめ
大きな町で増えていくホームレスと、町に流れる不穏な空気を感じた4年間でした。
実際に食べることには苦労しなかったし
白人の友達は生活が向上していたし( 建築や不動産業の人が多い。オバマ時代はけっこうみんな大変そうだった)
医療系の私たち夫婦は少しきつくなったものの、ほぼ今までと変わらない暮らしをしたと思います。
でも何かが違ったのです。
それはたぶん意識であり目には見えないけど感じる空気であり。
選挙が近づくにつれ、町に唯一ある銃専門のお店には毎日行列ができていました。
パンデミックが始まってからしばらくはアジア人というだけで嫌がられることもあったし
格差が広がっていく様子を見ながら、このままアメリカに住むことに恐怖を感じていたし、戦わなくては・・・という気持ちであったことは確かです。
ニュースは見ないようにしていたし、テレビもつけていなかったけど、どこからか耳に入ってきてしまう国のリーダーが放つウソと暴言は、自分では気を付けていても影響されていくものだと実感しました。
自分と全く違う考えの人たちが自分の上に立つということは、なかなかに心苦しいことであることがよくわかりました。オバマ政権下ではそのように思っていた人たちが反発してトランプみたいな人が上に立つ事態になったのでしょうが。。。
トランプ政権の意味はなんだったのでしょう。
声を聞かれなかった白人たちの声が聞かれたこと。
人種差別の問題が表面にでてきて、たくさんの議論が交わされたということ。
国民の政治への関心と参加があがったこと。
前に進むために必要だったのかもしれません。
アメリカは面白い国です。
いろいろな考えをもった人が集まって
全く同じ思いを持つということはありえないけれど
Unitedという言葉を大切にしている国ではあります。
それがなければまとまらないものね。
人種を超えて個人が集まり、かつ個性を受け入れて尊重して一緒にやっていくという課題は人類の究極の課題だと思います。その実験がアメリカ。なのかな。笑
私はたくさんの人種が集まって一緒になることが好きです。
だからこの国が分断ではなくまとまっていく方向性に舵をきっていくのはうれしいし、自分の子供が育つ国というのはそういうところであってほしいと思っています。
(アメリカが一番いいとか思っているわけではないですよ!!ただ他の国にいって、恥ずかしいと思う程度が減ると思います。トランプ政権下ではヨーロッパ人にいろいろ言われました。笑)
どの国も支配層というのは存在するし
人間が社会的動物であるかぎり、差が出るのはしょうがないこと。
今回で明るみに出た根強い白人至上の考えや人々
彼らとこれからも相容れるのは難しいのでしょう。
でもやっと女の副大統領、しかもジャマイカ人とインド人のハーフであるカマラさんが副大統領になったことは大きな前進の一歩だと思います。
人間はみな平等であるはずだというめちゃめちゃ高い目標は
達成できないかもしれないことだけど、捨ててはいけない目標。
アメリカに20年いてやはり下に見られたりすることを経験している私としては
次世代の子供たちにとってそれがもっと平等なものであるように願うばかりです。
少しこの国で住んでいくことにまた自信が出てきた朝です。
はあ。よかった。
まさにこの人が言ってくれたことに同感です。
南カリフォルニアでは今日の朝、今期の初雨がふりました。
空気が爽やかで気持ちがいいです。