カリフォルニアの庭と黒猫と里子

庭・猫・健康・里子のことなど

里子

私たちの里子は育児放棄のみでなく、虐待を受けていた子供です。

 

乳児の頃から生みの親との愛着がうまくいっていなかったので、おそらく愛着障害があるのでしょう。

 

そんな里子と心を通わすのは至難の業どころではありません。難しい。悲しい。辛い。腹立たしい。私にこんなにネガティブな感情があったのか!と思うほどに私の心を引っ掻き回してくれています。

 

愛着障害のこの子のために、愛着をまず私たちとの間に作ることが今のセラピーの課題です。特に母親がわりである私との信頼関係を作ること。

 

これをしていく上で感じたことを詩っぽくまとめてみました。本当に文章能力低くて嫌になるのですが、どこかで表現していかないとやるせなくなって、悶々としてしまうので、書き下ろしてみました。

 

お付き合いしていただければ幸いです。

 

 

 

 

 

歳のわりに大きな里子

 

大きな体と必要以上についた筋肉

 

ほっぺは柔らかくてあどけない

 

ある時は2歳

 

ある時は乳児

 

ある時は10歳に変貌する

 

抱きしめてあげたい

 

抱きしめてもらいたい

 

かすかに感じる違和感と拒否感

 

 

 

母の温もりが欲しいだけなのに、たたいてしまう

 

母に抱きしめられたいのにつばを吐きかけてしまう

 

どうしたら愛を貰えるか分からない

 

何もしなくても愛されることを知らない

 

だから暴れてみる

 

そうしたら絶対かまってもらえるから

 

 

 

 

 

大きな体をゆりかごのように揺する

 

里子は赤子になり、母乳の代わりに哺乳瓶を精一杯吸う

 

ときどき目を開けて私を見る

 

私は微笑む

愛が伝わりますようにと願いながら

 

里子は気まずそうに目をそらす

 

それでも私を見る

 

母という存在が目の前からいなくならないことを確認したくて

 

赤ん坊のように抱かれ、哺乳瓶を必死に吸いつづける

 

 

小さな声でママ、ママ、と何度もつぶやく

 

 

その目は私を通り越してかつてママと呼ばれた人を見ている

 

 

産み落とした本人しか与えてあげられない確かなもの

 

その人はそれをこの子に与えることは出来なかった

 

 

 

生まれてきてくれてありがとう

 

幸せにしてくれてありがとう

 

かわいいね

大好きだよ

大丈夫よ

 

 

こんな言葉を聞くことはあったのだろうか

 

 

私は続けるしかない

 

大好きだよ

 

ここに来てくれてありがとう

 

楽しい幸せな時間をありがとう

 

私はあなたを守るよ

 

 

里子の壁に半ば乱暴に染み込んでいく言葉たち

 

 

その言葉は暴力と混沌と共にこの子を混乱させる

 

 

それでもかわいた砂漠に水が流れていくように

 

 

しおれた植物が元に戻るように、染み込んでいく

 

 

体から緊張が少し解ける

 

 

安心したい

 

でも出来ない

 

今日も怖い夢が訪れるのだろうか

 

明日は怖い日になるのだろうか

 

ここにいられるのだろうか

 

ご飯はあるのだろうか

 

どこに行くのだろうか

 

母はいなくなるのだろうか

 

怖いよ

 

眠いよ

 

怖いよ

 

ママ

 

 

また繰り返しの一日が始まる

 

 

私は続けるしかない

 

 

少しずつ根が広がっていっているから

 

根が深くなっていってるから

 

 

続けるしかない

 

いつかきっと芽が出て

 

葉が広がって

 

花が咲く日が来ると信じて

 

 

 

また1日を繰り返す

 

 

私は続けるしかない