カリフォルニアの庭と黒猫と里子

庭・猫・健康・里子のことなど

うつ病の旦那と生きる

突然ですが私の旦那さんはうつ病もちです。
20台前半に発症し、以来薬を飲み続けています。

結婚を決めるときはもちろん躊躇しました。
考えなしなところのある私は「無理だったら離婚すりゃいいや」(なんててきとう。。。)と、不安に思う気持ちに蓋をしちゃったのだと思います。ありきたりですが、30歳を過ぎて回りの友達も子供を産み始め、焦りも手伝ったのでしょう。


もちろん彼には以前に出会った人にはない価値観の一致がありましたし、一緒にいるときに何より自然体でいられることや、ほどよい距離感を持てること、共有できる趣味もあれば一人の時間を楽しめる趣味もあるなどなど、鬱病がなかったら迷うことはなかったと思います。

でも迷った結果、やってみるしかないかっていうお気楽な気持ちで前に進みました。


うつ病の発症の原因には遺伝因子と、後天的因子があるそうです。
そして遺伝因子の上にトラウマチックな子供時代を過ごすとかなり高い確率で思春期から青年期に発症するそうです。
旦那の父親はうつ病の診断もあり、そして彼の母親を殴り、家のものを壊し、彼のペットを怒りに任せて殴り殺したり、その上子供時代に彼のことをほめたり認めることを全くしませんでした。手伝いをさせても何でお前はそんなことができないんだ。バカが。どうしようもねーな。と、旦那を罵倒しました。そうして育った私の旦那がうつ病になったのは必然なのかなと思います。

そんな心理的虐待を受け続けた旦那は自己肯定感があまりにもひくいです。
そしてそんな自信のなさから自分を守るために、心をガードして人に対して疑ってかかるし、新しい人を受け入れるのは大変です。

またパートナーに精神的に頼ります。
その頼り方は健全な形ではなく、精神的な虐待すれすれ、または依存を繰り返します。

彼はカウンセリングもたくさん受けてきているし、自分でも学ぼうとするので、決して分かりやすい形で私にたいして精神的な荷重をのせてくることはありませんでした。

違和感を感じ始めたのは結婚して1、2年のころ。なぜか自分の気分が落ちていることが多いことに気づきました。辛くてなぜか涙が出てくる。でも何でかわからない。旦那にたいして何か感じていたのだけれど、それもなぜかわからなかったのです。
気が付いたら私らしい私がいなくなっていました。
あれ、なんで昔はもっとハッピーで、楽しいことがいっぱいだったのに、何が変わったんだろうと不思議に思っていました。

トラウマのひどいPTSDの里子が来て以来、心理学やカウンセラーを通して私はPTSDのことをたくさん学びました。そしてやっと、旦那はPTSDだったということがわかったのです。PTSDというのは何かひとつ怖いことが起こってなることもあれば、長期にわたって精神的な苦痛を与えられてなることもあるそうです。PTSDという診断名がよく使われるようになったのもここ50年くらいのものだそうです。今読んでる本によるとベトナム戦争で研究が進んだようですね。


また私と旦那の関係も基本は虐待の関係だったということに気づきました。彼は虐待してるつもりはないし、心理的虐待と呼べるほどの程度ではないのですが、だから余計に私たちの関係の悪循環に気が付かなかった。

私が彼からの依存や心理的虐待を自分のせいだと思ってしまっていたのは、まさに虐待のループにはまっていたのだと思います。いつのまにか彼の機嫌を損ねないようにびくびくするようになり、精神的にとっても疲れるようになりました。彼を刺激させないように、彼を怒らせたりしないようにしてるうちに自分を見失ってしまっていました。

私は全部自分のせいだと思っていたので(ここが虐待と同じパターン)、ループから外にたって自分達のことを見れたとき、すごく救われました。あ、私だけのせいじゃないじゃん。って。

で、彼が当たってくることなどが、自分個人に対したものでないということが分かって楽になりました。

里子もそうなんです。あたられるんですけど、私が悪いんじゃないことが多いんです。Don't take it Personally. 自分に向けられたものじゃないから受け止めてあげてもいいけど、受け入れてしまってはダメ。もうこれが座右の銘。


もしこれを読んでる人で、パートナーや親や、身近な人が鬱で、すごく疲れているとしたら、知ってほしいのです。
あなたのせいじゃないですよ。
そしてパートナーだけのせいでもない。あなたはたぶんもう十分やっている。彼らの怒りや恐怖、自信のなさをあなたが受け入れてあげる必要はないんです。

彼らを受け入れてあげるのと、彼らの怒りを自分のなかに受け入れてしまうことは違う。

私が里子によく使うフレーズ。
I love you. I love who you are. But I don't like what you just did.

心の問題で一番悲しいのは彼らは自分に対する自信がぜんぜんないということ。だから言葉に出して言ってあげることって大切なのです。でもすべてを受け入れる訳じゃない。線引きはしないと良い関係には進めません。

精神的なトラウマや鬱を持つ人と暮らすのは大変です。

カウンセリングなどしていないとどこから鬱が来てるのかもわからないし、自分で自分の感情や行動がどこから来るのかとかわからないので、迷う。

本人が自分の状態を認めないでカウンセリングにしろ投薬治療にしろやってくれないなら、距離をおいて全然OKだと思います。

そうはいかないって思うと思うけど、自分を守ってあげられるのは自分しかいない。
助けたくて頑張ったけどもし自分が傷ついていってつらいなら逃げてオッケーだと思います。

でも大事な家族ですからできることはきっとある。つらいってことを本人に伝えて、セラピー受けてくれたり一緒にカウンセリング受けてくれるなら頑張れるかもしれません。


これを書いたのは、家族やパートナーの鬱や精神疾患でまいってる人がいたら
希望はあるよと伝えたかったからです。


私は旦那にまたセラピーに戻ることを納得させるまで4年かかりました。
そしてトラウマを抱えた里子がこなかったら、きっと旦那がカウンセリングに戻ることはなかったでしょう。
その代わり私が彼に当たられ、苦しくなっていたでしょう。結婚生活も続かなかったかも!!


難しい心の問題を抱えた二人と生きていて、私も辛いときがたくさんあります。上手に対応できなくて怒ってしまうこともあります。でもまあいっか、それで。人間ですから全部やるなんて無理無理。



んで、そんなときに癒されるのはやっぱり猫と庭。少しでも庭仕事に没頭したり猫と穏やかな時を過ごすことがどれだけ重要か!


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これは今年の夏の庭

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そして刈り込みしてマルチを足した秋の庭です。


季節感のない南カリフォルニアですが、庭を見ているとちゃんと植物は季節に会わせて変わっていってるんですよね。


うつ病は治る人もいると思うけど
私はどちらかというと一緒につきあい方を学んでなんとかやっていくものだと思っています。自分の好きなことをやる時間をしっかりとって頑張りましょう!


今日もなんとかやっていきます。